
一般社団法人栃木青年会議所
第67代理事長
横塚 勇気

はじめに
JCにはJCでしか学べない、JCだからこそ経験できる事あります。私はJCに入会して多くの機会を掴んできました。夢中になって挑戦し、楽しみながらも仲間と共に本気でJC活動をしてきた今、私は多くの仲間に囲まれています。一生懸命に仲間と挑戦すればする程に、自身の成長にも仲間の成長にも繋がり、ふと気付いた時には、多くの仲間に囲まれていることでしょう。
ここで共に歩んだ仲間は、心から信頼でき、何でも相談出来る、時には厳しく叱ってくれて何事にも本気で貴方の為に向き合ってくれる仲間となります。最高な人生にする為に、ここで出会った仲間と深い絆で繋がることで、笑顔溢れる未来を共に切り拓いていきましょう。
2024年7月6日第72回関東地区大会とちぎ大会の開催。この大会で実行委員長を務めた経験が、私にとって大きな転機となりました。
2022年、私が当時、専務理事を務めている中でした。関東地区大会の主管立候補が決まり、地区大会をメンバー一人一人が自分事とするきっかけをつくるため、準備に奮闘する毎日でした。初めのうちはなかなか思うようには行きませんでしたが、仲間と共に情熱を持って向き合った対話集会を乗り越えたことで、私たちは徐々に心が一つになり、ワンチームとなっていきました。
2023年、大会に向けてみんなで動いた一年でした。過去の主管LOMの経験談を聞きに行ったりしたことや、多くのメンバーで関東地区協議会の地区大会を運営する委員会へ出向し、2023年の館山大会成功に向けて関東各地のメンバーと共に汗を流しました。気付くと私は、関東各地のメンバーとの絆を感じ、楽しむ心をもって取り組むことの大切さ、誠心誠意で行うことで心はひとつになり、大会成功へ向けての大きな推進力となることを体感しました。
そして、多くの仲間との絆と、貴重な経験を得て2024年の開催年度を迎えました。行政の支援、地域団体の皆様の力強いフォローとネットワークを感じ、学生や市民とのコラボレーションでは、将来を担う若者達と一緒に運動を進めることで、街の活気とまちづくりへの意欲を向上させてくれました。またOBの方々と強固な関係性が持て、先輩方の行動力とOB同士の繋がりの強さ、まちへの影響を感じさせていただきました。
ただ、それよりも何よりも強く感じ手に入れたものが私にはあります。それは、共に本気で行動してくれた仲間との深い絆です。一人では出来ないことも本気で向き合ってくれる仲間が居たからこそ、乗り越えることが出来たのです。
JCでは、普段の生活で経験する事ができない事がたくさん学べます。大変なことも、とても辛いことや悔しい思いをすることもきっとあるでしょう。そんな時は、一度周りに目を向けてみましょう。ここには、同じ志を持ち、あなたのために本気になってくれる最高の仲間達がいます。
心の底から相手と向き合い、仲間と共に全力で事業構築をしようじゃありませんか。やり遂げた後には必ず、貴方は最高な仲間達に囲まれています。
今までの自分よりも更に大きく成長できるよう、仲間との絆で笑顔溢れる未来へ踏み出して行きましょう。
事業構築について
全ての事業に想いを込めて丁寧な構築をしていくことが大切です。しかし、どんなに想いが込められていても地域にインパクトを与えることが出来ない事業では意味がありません。事業に至る背景をしっかりと調査をすることで事業の目的が見えて来ます。自分自身が感じたことや思っていることだけでは効果的な事業とは言えません。地域課題を抽出し、深く掘下げることで、地域が必要としている本当のニーズを捉えることが出来れば、効果的な事業構築に繋がります。その結果、市民やまちから更に評価される団体となり、我々の存在意義をより示すことができます。地域に寄り添い、共に成長をしていくためにも、徹底した調査の元で事業構築を進めます。
より有意義な会議運営と対内外へ共感する広報
会の土台。基本ルールは守りながらも時代の流れに則して有意義で効果的な運営を行います。
期限を守る、時間を守る。多くの人の時間を使っているという当たり前な事を今一度見直す必要があります。限りある時間を有意義に、かつ効果的に使うことで、事前質問も更に有効な活用が出来るようになり、会議の質も事業の質も上げられます。
広報では、共感を生む事が出来ればファン化に繋がります。これにはまず、対内メンバーが把握しなくてはなりません。各委員会事業の情報を分かりやすい形で共有をすることが重要です。事業の依頼を掛ける際は相手の気持ちに沿って行いましょう。これまでの案内文だけでなく、イメージ図等を載せる、写真を載せるなど、事業をより分かりやすく理解してもらえる工夫をして伝えます。さらに対内だけでなく、対外のファンを増やしていくことが、最大の広報になります。対外への広報は主にSNSを活用して行います。その際、開催報告を伝えるだけでなく準備過程の発信もしていきます。事業開催までのストーリーを知ることで見た人の共感が生まれ、ファンとなります。地域発展に必要な存在だということを対外に示してさらに栃木青年会議所を地域に根付かせてまいります。
感謝の心、未来に繋げる交流
2024年度は、第72回関東地区大会とちぎ大会をやり遂げることができたのも、行政関係者をはじめ、地域団体、教育関係、地域企業、市民、各地JC関係、そしてOBの方々から多大なご支援とご協力を得ることで出来た結果であり、LOMだけで行えた事業ではありません。支えて頂いた皆様に改めて感謝の気持ちを贈る必要があります。大会を通して得た経験やLOMの熱量、そして感謝御礼を新年式典にて伝えることが我々にとっても節目となります。そして、繋がりを持たせていただきました方々との関係は終わりではなく、今後に向けてより強固なものとなり、会としても存在意義を高めることになります。
栃木青年会議所は3年後に70周年を迎えるわけですが、2025年は70周年に向けて改めてスタートの年と考えます。これまでもこれからもJC活動を続けられるのはOBの皆様方が築き上げた伝統と歴史があってのことです。今後のJC活動をより良いものとするためにもOBの方々の協力が必須です。そのためには、日頃の感謝を伝え、関東地区大会を通して成長した我々メンバーの姿を見ていただくことが重要です。現役の想い、誠意、姿勢をより多くのOBの先輩方へお伝えし、感じていただくことで、より強固な関係構築をし、3年後に繋げます。
諸大会参加を通してJC活動の凝縮を体験し仲間との絆を育もう
目的を達成するためには、力を合わせて悩み共に多くの時間を費やし、議論し構想を練り上げ、事業を実施します。その後は、反省点を話合い報告することで次年度以降に繋げる。目的に向かって多くの時間を共有することでこそ、友情や絆が生まれてきました。このサイクルを凝縮させたものが、諸大会へ参加することで体験できます。多くのメンバーが諸大会に参加できるよう渉外委員会が中心となり、メンバー動員と大会の情報発信、大会参加の意義をメンバーに伝えてまいります。
2025年の関東地区大会桐生大会の成功は、2024年度主管の当LOMとして使命であり、桐生大会をとちぎ大会よりも更に大成功へ導く事が本当の意味でとちぎ大会の成功となります。その為には、とちぎ大会の学びをしっかり引き継ぐことが重要です。そして大会には多くのメンバーを動員し、盛り上げることで最大限に桐生大会にコミットしてまいります。
2026年は、栃木ブロック協議会最大の発信の場でもある「とちぎフォーラム」が栃木青年会議所の主管にて行われます。大会成功のためには、県内会員会議所メンバーとの関係性がとても重要なポイントです。スムーズな大会の運営と、大会成功に向けての基盤づくりの為、LOM間交流、県内会員会議所メンバー同士の交流の場を通して個々の成長と、大会成功に向けた基盤作りを行います。
JCには、出向というシステムがあります。地元地域のみならず地域の垣根を越えて世界中のJAYCEEと出会えるのは、JCならではのスケールメリットです。この機会を活用することで、多種多様な仲間と繋がりを持つことができます。この貴重な機会を有効に活用し、LOMだけでは体験できない新たな気づきや学びを得ることで、メンバーの成長に繋げてまいります。そしてLOMの代表として出向をしている仲間を全力で応援し、輝かせます。出向者としても出向を通して得られた経験をLOMに持ち帰り伝えることで、LOM力のアップグレードに繋がるでしょう。
自己肯定感を育み未来へ繋げる青少年育成事業
我々の子どもの頃は子どもの人数も多く、駄菓子屋や公園に集まったり、山に探検に行ったりして遊んでいました。地域の大人から昔話や地域の伝説を聞いたり、時には叱られたり褒めてくれたりと今とは違った環境で育ちました。私の生まれた1985年は14歳未満の世代が2604万人だったのに対し、2024年は1401万人となり、43年連続で減っています。その中で子ども達の環境も大きく変わってきました。その結果、現代の子ども達は自己肯定感の低下や他者との関りが苦手な子どもが増えています。そんな現代の子ども達を集めて、自然とのふれあい、子ども同士のコミュニティーを体験することを通して課題解決の一助とし、子ども達にとってより明るい未来へと繋げる為の事業を展開します。
子どもの可能性は無限大です。子ども達の興味や可能性を最大限模索して引き出し、青年会議所ならではのタッチで、子ども達の可能性を拡げる手助けが重要です。またゴールデンエイジ期は自分自身の能力をコントロールする力が一番成長すると言われています。より多くの体験をさせてあげることで、その子の興味関心、自分に合う事が見つけられるキッカケを提供します。
普段では体験することの出来ないような経験を提供出来れば、子どもたちの可能性を拓く一助となるでしょう。
若い世代の活躍の場の提供と災害体験で備える
第72回関東地区大会とちぎ大会の中で我々は、小江戸とちぎ祭りを開催しました。既存である地域の祭りとはまた違う一面を持った小江戸感を持ちながらもより若い世代へアプローチすることが出来ました。関東地区大会をキッカケに開催したこの祭りは、地域の特色を活かしながら魅力を発信し、地域一体で創り上げた一大イベントとなりました。この祭りは街の活性化に大きな意味を持てたと自負しております。地域で毎年開催をしているイベントと協同して、地域資源、地域の魅力発信することで、市民への周知、まちにとって必要な団体だと引き続き示すことが栃木青年会議所の存在意義を高めます。さらに産官学民一体のまちづくりに貢献できる団体になるべく、事業を構築します。
栃木市は2015年、2019年に大きな水害があり、2019年には永野川の堤防決壊などで1人が死亡、2人が重症、約8000世帯が床上・床下浸水の被害に見舞われました。2011年の東日本大震災では、壬生町も家屋等の損壊が600件近く発生しました。このような災害は起こらないことに越したことはないですが、起こってしまった際にどのように対応できるかが重要です。AR,VRで災害を疑似体験することにより、有事の際にも落ち着いて行動が出来る準備をすることが必要です。災害対策の意識向上をはかり、災害時に尊い命を守る事が出来るように学びの場を作ります。
存在意義の確立とビジネスに置けるJCの活用
私がJC入会を決めたきっかけは、「スピーチがうまくなりたい」「挨拶が上手に出来るようになりたい」「100人の組織を疑似体験したい」等々、様々な思いで入会を決めました。JCを活用してなりたい自分を見つけること。何のために活動をしていくのかを自分自身で解釈する必要があります。自分自身の入会目的や存在意義、JCで経験できること、活用方法を学ぶことで、JCをやる意味を自分にも相手にも伝えられるようになり、今後の人材を育成する機会とします。
また我々は、青年経済人としての一面を持っております。自社の永続発展、成長を続ける為には学びを得て会社に落とし込まなくてはなりません。また地域には多くの青年経済人がいます。地域の方々と共に学び、共に成長をするために多くの人と学べる機会を創出します。そこから私たちの仲間も多く繋がるでしょう。自社の成長、自己成長にも繋げる事業を構築し共に成長出来る機会を提供します。
歩みを止めない、共感者を増やし、仲間を作ろう
会員拡大の理由は、人数が減るから、存続の為に増やさなくてはならないから。最初にこのように考える人も多いのではないでしょうか。しかしこれでは、共感者を生むことは難しいでしょう。
青年会議所では、「リーダーシップの開発と成長の機会の提供」と「社会課題を解決することで持続可能な社会創り」が掲げられています。これを達成するためには、共感者が必要です。メンバーが成長をし、社会課題を解決する同志として心ひとつに活動が出来るのは何より代え難い宝です。
メンバー全員で数多くの仲間を拡大し多くの共感者を生み、メンバーの成長とまちの発展、そして自分自身も信頼できる仲間を見つけ、仲間という人生の宝を手に入れましょう。
むすびに
私は、信じ合える仲間こそ、JCで得ることの出来る最大の財産であると考えています。私が困難にぶつかるとき、そこにはいつも近くで支えてくれる仲間がいました。仲間がいてくれたからこそ、乗り越えることが出来ました。
そして困難を乗り越える度、その仲間の輪は強く大きくなっていきました。人は人でしか磨かれないと言いますが、出会い、繋がり、本気で相手を想い向かい合うことで、最高の輝きを放てると私は信じ、実践し、共に輝ける仲間との絆を築いてきました。
深い絆で繋がった仲間と共に進むことで、困難に立ち向かう事さえ、楽しくなります。
仲間との絆があれば挑戦をし続けることが出来、高いパフォーマンスでチャレンジし、共に支え合い、乗り越えることが可能です。
仲間との絆があれば、切磋琢磨し、互いに高め合いながら、楽しくも充実した有意義な時間を過ごすことが出来ます。
さぁ、貴方にしか創れない仲間との絆で心をひとつに、笑顔溢れる物語をはじめましょう。